後藤孵卵場

後藤孵卵場

私たちが住む日本の食料自給率は約39 %と言われています。これは世界の先進国の中で最も低い数字です。 私たちが普段何気なく食べている食材の多くは海外からの輸入に頼っています。もし、輸入が途絶えたら私たちの食生活はどうなってしまうでしょう ? 食卓から多くの食材が消え、今まで何気なく食べていたものが食べられなくなります。私たちはもっと真剣にわが国の食の安全と食料自給率の向上に取り組み、日本農業を守っていくことの重要性を認識せねばなりません。当社は『種』の保存の重要性を認識し、純国産鶏を通して日本農業の活性化と自主性・食料自給率向上に積極的に取り組んでいます。

今、「日本に出回っている卵」を産んでいる鶏のほとんど(およそ96%)は外国産「種」の鶏です。輸入した鶏を親として、子供にあたる鶏を養鶏業者へ出荷します。この鶏達が産んだ卵が、消費者の元へ届く、と言うのが、日本の養鶏業界の実情です。
もし、外国の様々な事情(気候、戦争、病気、原油高騰などの経済的な問題など)によって輸入がストップすると、当然卵や鶏肉、それに関わる食品は全て生産できなくなります。

純国産鶏と外国鶏の最大の違いは海外から親鶏を輸入しているかどうかです。もし、諸事情(悪性伝染病の発生、戦争、テロ事件などの有事)によりヒナの輸入が途絶えた場合、 日本では外国鶏によるたまごの生産(養鶏)が一切できなくなってしまいます。また、外国鶏の育種業者は効率追求からMA等によって2大メーカーに集約され巨大化しました。今後、鶏の品種が絞られ少なくなる危険があります。自分たちの好みの鶏種を選択できず、与えられた鶏種で我慢しなければならなくなります。
しかし、純国産鶏は国内に「種(遺伝子)」があるので、いかなる事態が起きても優れたヒナの自給生産と供給が、さらにわが国の嗜好にあった卵を産む鶏の育種を永久・安定的に行えます。

日本農業を守り食料自給率を向上させるにはどうすれば良いのでしょう?その根幹をなすのが“地産地消・国産国消”の推進です。地産地消とは、その土地で生産されたものをその土地で食
するという意味で、自国で消費する食料は自国で生産すること(国産国消)が望ましいということです。当社は初生ヒナの生産販売を主な業務としています。最大の特徴は日本の民間企業で唯一の純国産鶏「さくら」「もみじ」の『種(遺伝子)』を保有し、昭和 17 年の創業以来、鶏の育種をすることによって 純国産のたまご を提供していることです(多くのたまごは、海外から輸入された親鶏(増殖目的の為に飼う鶏)から産まれた鶏が日本国内で産んだものです)。消費者の皆様に安全・安心・美味しいたまごを提供するため、生産から販売までを一貫して取り組み“地産地消・国産国消”を推進しています。これらの推進は皆様のご理解とご協力がなくては成立しません。即ち、消費者と生産者が手を取り合うことで食料自給率も向上し、日本の農業・食の安全も守られるのです。

“純国産鶏”とは、日本国内において幾世代にもわたり、選抜交配を繰り返して育種を行い作出される実用鶏のことです。
純国産鶏が産んだたまごが『純国産鶏のたまご』であり、原原種・種鶏を海外に依存する鶏は従来から外国鶏とされ、 そのたまごは『純国産鶏のたまご』とは違います。当社は日本の気候風土を味方にして、顧客ニーズから明確な改良目標を立て、優良国産採卵鶏の作出に使命と誇りを持っています。先を見据えた育種を適時に行えるのは、国内に育種研究機関と蓄積された育種技術と開発力を持ち、 且つ優秀な育種鶏(種)を保有しているからであり、鶏の経済能力(生産性など)の改良はもとより、 消費者からの情報を取り入れてたまごの品質面の改良に即、反映させることができるのも純国産鶏の特長です。

消費者の「食の安全」に対する関心は非常に高く、その食料は誰が・どこで・どのようにして生産されたものであるかなどを、生産者や流通業者はその要求にキチンと応えなくてはなりません。当社は育種の段階までトレーサビリティ(追跡可能性)ができ、消費者をはじめ誰に対しても、自信を持って説明・開示することができます。多くの安全志向の消費者が求める“純国産鶏のたまご”とは、国内で育種工程(ルーツ)が明確な“純国産鶏”が産んだたまごです。当社は創業以来、純国産鶏にこだわっています。それは私たちの国の食料の安全性を確保する観点からであり、この経営方針に高いポリシーを持ち、微力ながら食料自給の一翼を担っているプライドを持っています。さらに、今後とも純国産の「丈夫で性能の高い鶏」、「安全・安心で美味しいたまご」の改良に全力を挙げて皆様の要望にお応えして参ります。一層のご支援とご愛顧の程をお願い申し上げます。